男性諸君なら、ロボットアニメのひとつやふたつ、みたことがあると思います。俺もそのうちの一人なのですが、ひとつやふたつだけではなく、その数は数知れず。 その中でも格別異風だったのが、「銀河旋風ブライガー」。俺はこのアニメの他に 夜空の星が輝く陰で ワルの笑いがこだまする 星から星に泣く人の 涙背負って宇宙の始末 銀河旋風ブライガー お呼びとあらば即参上 こんな、あまりにも渋すぎるナレーションが入るOPではじまるアニメを知りません。こんな肉厚な唇を持つ主人公ロボットも見たことありません。渋い!渋すぎますブライガー。 このアニメを知っている人は「スーパーロボット大戦α外伝」でのブライガー登場により、結構多いと思うんですが、とりあえずまあ、どんなアニメだったかという事から説明しようかと。 時は2111年、地球から離れた隕石群アステロイドベルトの1基地に、四人の戦士達が集結した。 地球軍の特殊部隊隊長「ブラスターキッド」。 凄腕のレーサー「飛ばし屋ボウィ」。 唯一の女性メンバー「エンジェルお町」。 三人を集結させた「かみそりアイザック」。 このチーム「コズモレンジャーJ9」が、一般人より依頼を受け、報酬と引き替えに仕事をこなしていく、そんな物語。思いっきりいい加減な説明で申し訳ありませんが、まあそんなところ。 この登場人物の名前は通称。銃が得意という事で「ブラスターキッド」。レーサーという事で「飛ばし屋ボウィ」。ここまではわかる。エンジェルってのもまあ、女性ならではという事で大目にみても・・・ 「かみそりアイザック」って何? それについて、本編で一言も告げられてないんですが。1話目からいきなりかみそりだったしアイザック。うーんまあいいや。 まあ、このような「思う様明るく、なおかつロボットアニメになっちゃった必殺仕事人」みたいなアニメなんですが、主人公は、こういったロボットにありがちな「宇宙人による侵略から地球を守るべく立ち上がった平和の使者」ではなく 「報酬がなければ悪役を倒さないビジネスマン」 なんです。なんと現実的。なんと合理的。子供に夢を与えるようなシロモノではないような気がするのは俺の気のせいでしょうか。 変に陰のある雰囲気のものが多かった、この時代(昭和50年代)のロボットアニメにあたかも反旗を翻したかのごとく、やたらに明るい主人公達の性格や、「イェーイ」という、今ではあり得ないかけ声など、今までのロボットアニメを覆す設定はそれだけにとどまらず、これまたロボットアニメにありがちな変形についても特筆すべきものがあります。 主人公ロボット「ブライガー」は、車タイプの「ブライサンダー」、戦艦タイプの「ブライスター」、そしてロボットタイプの「ブライガー」と、3タイプ。ここまでは至って普通。 でも、一つ考えてみて欲しい。車が戦艦に、それからロボットに変形するという事は、とどのつまり、ロボットも車サイズという事にならないか?そんなチャチなロボットでせまりくる敵をなぎ払い続けることなど出来るのだろうか? しかしそんな事は、当アニメの大元である「ブライシンクロン理論」が思いっきり解決してくれます。この理論をうまく使うと、物質の質量が肥大化するそうです。つまり、ブライサンダーからブライスター、ブライスターからブライガーに変形する際に 変形だけではなく巨大化までする そうです。そんな主人公ロボット、ありですか?巨大化なんて、戦隊モノの怪人だけで十分です。まったく、なんというおもちゃメーカー泣かせな設定なのでしょうか。 正直言ってしまうと、俺もまだ途中までしか見ていません。友人よりDVDを借りてみているのですが、この先どうなってしまうのかが楽しみでなりません。だって、展開がいきなりすぎるんだもの。 何の理由もなく、ただなんとなく結成されるJ9とか。 普通こういったアニメの主人公達が集結するためには、なんらかのきっかけか、もしくは血の繋がりなんかが必要になってくるはずなのだが、このロボットアニメに関しては「なんとなく」レベルでメンバー結成に同意してしまうのだ。ブラボー銀河旋風ブライガー! たったの第二話でキッドの過去を知る女が出現とか。 普通こういった役回りのキャラは、主に物語中盤以降、主人公クラスキャラの個性を視聴者に熟知させた上で登場させてこそ効果があるというもの。それをいきなり第二話で出しちゃう潔さ。ブラボー銀河旋風ブライガー! 本当に先が楽しみでなりません。どうなることやらブライガー。 |