唐突だが、俺には某会社をたった二ヶ月で辞めてしまったという汚点がある。仕事的にもやや苦痛、上司にもムカついたが、それを理由にしての退社ではない事をまず断っておく。だってそうでしょ。そんな事言ってられませんよ生活かかってんだから。 ある日、仕事の最中に上司に別室に呼ばれて、こう言われたのだ。 「10月に、東京に移転になるから、ウチ。」 はい?ナニソレ? この告知を受けたのは、俺が勤めはじめておよそ1ヶ月半の9月上旬。移転という事は、当たり前ではあるが、名古屋の本社をたたんで、東京に移るという事である。 つまり社員全員に対して「東京に引っ越せ」という事である。 しかし上司は強制ではないという。名古屋から会社がなくなるのに、東京行きが強制ではないとは、一体どういう事か。答えは一つしかない。俺は上司に聞いてみた。 「それって、東京に来ないヤツは他の会社で頑張れって事じゃないんですか?」 「まあ、そういう事になるだろうねえ。」 それを「強制」って言うんだよ馬鹿野郎。 結局は東京について来なければクビって事だろうが。 大体東京に住むっていったら、家賃なんて最低で15万。いくら家賃50%を会社で負担、かつ給料20%アップという条件がついたところで、新入社員の安月給では絶対に足が出る。そんな悪条件の下、今の生活環境を捨てて東京に永住なんて、リスクがありすぎである。 ていうか採用の面接の際にその説明が一言もないってのはどういう事ですか。 そもそも「会社が東京に移転する」なんていう大事、ここ1〜2ヶ月で決まった事ではないだろうに。俺を採用するずっと前から決まっていた、最低でも話が出ていたはずなのに、入社してから1ヶ月半で初めて聞くってのはおかしいだろう。 だったら内定もらってた他の会社入ればよかったと切に思う。なんだよこの会社。詐欺だろそれ。 とはいえ、正直言ってしまうと、ここの会社の上司が人間的魅力のない、今まで出会った中で最低の上司だったんで、ちょっとだけホッとしている自分がいるのも事実なのだが、それは「その会社、凶暴につき(上司編)」で語ろうと思う。 |