嫌な客


今更ですが、俺はパソコン販売員です。接客業です。いや、世の中には色々な客がいまして。パソコン販売員としては、たとえ客が間違っていたとしても、決して怒らずに冷静に判断し、和談しなければならないのですが、俺だって人間。表には出さないが、ムカつきまくる客っつーのはいるわけで。

今回は、そんなアホな客を当サイトにて暴露しようかと。


●他店について平気で聞いてくる客

パソコン販売員、いや、接客業に就いている人なら必ずといっていい程遭遇する客。何のためらいもなく、しかもタメ口で聞いてくる客が殆ど。

ちょっと考えてみて下さいよ。あなた方は俺らの商売敵の場所を聞いているんですよ?失礼だろ。ウチは交番じゃねえぞナス。それなのに、こんな客もいました。俺の勤めている店をA電機、商売敵をBショップとします。


俺「いらっしゃいませー。」
客「ねえ、ちょっと。」
俺「はい、どういったご用件でしょう?」
客「ここ、Bショップだよね?」
俺「いや、ウチはA電機なんですが・・・」
客「え?だって、Bショップでしょ?黄色いし。」
俺「いや、ですからA電機です。Bショップではありません。」
客「じゃあ、Bショップの場所を教えてよ。」


テメエで探せボケオヤジ。


二重に失礼な客。他の店聞くのすら失礼なのに、なんでそんなに偉そう、かつ違うっつってんのに疑うか貴様。こういう輩は年輩の方っていうかジジィに多いです。

また、「ひげそり」や、「時計」、「プレイステーション」など、挙げ句の果てには「ヒューズ」なる特殊部品まで訪ねてくる客がいます。まあその辺の間違いはわかります。許せる範囲です。でもな、無いとわかって「じゃあどこの店にいけばある?」っていう質問はいかがなものかと。

まあ電気街で勤めている俺らだったら、この辺に詳しいだろという解釈はわからないでもないです。実際歩き回ってるしね。しかし、しかしだ。

ヒューズなんて特殊部品、探し回る人の方が少ないのに、どこにソレがあるかなんて俺らにわかる訳ねえだろが。

少し考えれば解ることだと思うんですが。



●ソフトについて細かく聞いてくる客

これは一瞬「え?何で?」と思う人が多いかも知れません。事実、「ソフトだってそちらの店で売ってるんだから、知ってて当然でしょ?」と思われる客が殆ど。でもよく考えて下さい。

いくら店においてあるとはいえ、ソフトなんて何千、何万もの種類があるんですよ?ソフトなんて使ってみなければわからないのに、店においてあるソフトだから販売員もわかる、っていう解釈はおかしいでしょ?

なのに、地図ソフトを手に取って、こんな事を聞いてくる客が。

「これって、○○市××町の詳細地図って出るの?」


そんな細かすぎる事知るかボケェ!


なのに、知らない旨を伝えると「何このパソコン屋。全然知らないじゃない。」っていう顔して帰っていく客。あなたの質問に明確に答える店を見付けたら、ゼヒ教えてもらいたもんですな。



●返品関連

パソコン本体や、その他周辺機器っていうのは、もし初期不良があった場合は交換出来るのですが、それは大体一週間以内と決められているという事を皆様はご存じでしたでしょうか。

俺ら販売員も、そういったものを販売する際に、必ず客に「もし初期不良がございましたら、一週間以内にご連絡下さい。」としっかり伝えているんです。なのに、客の中には、購入後3ヶ月たってから「初期不良だ!交換しろ!」と吠えてくる人もいたり。

ちゃんと人の話を聞いて下さい。一週間以内っつってんだろナス。あんた3ヶ月何やってたんだ。

また、返品理由が初期不良ではない人も。基本的に、返品っつーのは初期不良以外、どの店でも不可なんですよ。コンビニとかだったら、まず通らないような言い訳をしてくる客がいます。

俺「いらっしゃいませー」
客「すみません。これ返品したいんですけど」
俺「初期不良ですか?」
客「知人から同じ物をもらったもので」


あんた販売店なめてんのか?


常識的に考えて下さい。一度買った物を、そんな理由で返品出来るわけないでしょう。それとも何か?貴様はパソコン販売店以外でも、その手をつかってんのか?

しかも、そういう客に限って、「クーリングオフで、8日間以内だったら返品可能だろ!」と逆ギレしてきます。はあ。これだから無知な客は嫌だね。いいかよく聞け。

クーリングオフっつーのはな、訪問販売や通信販売、簡易販売(プレハブやテントなど)などにのみ、適用されるんだよ。ちゃんと店舗を構えて販売している店には適用されないんだよわかったか馬鹿。

中途半端な知識を武器に返品交渉してくる馬鹿な客っていうのはホント嫌です。



●論外その1

俺「いらっしゃいませー」
客「この間ね、ここでコレを買ったんだけど・・・」
俺「ありがとうございます。で、どうしました?」
客「今みたら、値段が2千円下がってるんですよ。コレ。」
俺「はぁ。」
客「だから、2千円返して。」
俺「いや、それはちょっと・・・。」
客「なんで?ついこの間買ったばかりだよ?」
俺「しかし、商品の価格変動は、この業界だと著しいものが・・・」
客「なんだよ!返してくれないのお金!」
俺「申し訳ございませんが。」
客「せっかくアンタんところ信用して買ったってのにさ!」


そういうのを信用とはいいません。



●論外その2

俺「いらっしゃいませー」
客「すみません、iBookあります?」
俺「申し訳ございません。今品切れしております。」
客「他に在庫ある店知りませんか?」


俺「いらっしゃいませー」
客「すみません、このハードディスクあります?」
俺「申し訳ございません。今品切れしております。」
客「他の店にないかな?」
俺「おそらく、○○ショップならあるんじゃないですかね?」
客「そこ行けば絶対ある?」


競合店の在庫状況なぞ知るかボケ。少し考えてモノ言え。



●論外その3

客「おい、ちょっと!」
俺「はい、どうされました?」
客「ここで買ったこのパソコン、初期不良なんだけど!」
俺「いつ頃ご購入されましたか?」
客「3日前だよ!」
俺「すみません、保証書をお見せ頂けます?」
客「ほら!ちゃんと3日前に買ったやつでしょ?」
俺「あのー、これ、ウチじゃないんですが。」
客「え?オタクじゃないの?」
俺「ええ。これは××ショップなんですが。」
客「なんだよ全くまぎらわしい!」


つーかワビの一つもナシか。二度と来るな。



●論外その4

客「ちょっといい?」
俺「はい、どうされました?」
客「このカタログ、おたくでもらったんだけどさ」
俺「ああ、ヤ○電機の製品カタログですね?」
客「この商品探してるんだけど、いくらになる?」
俺「そちらですと、当店では在庫を置いていない商品なんで」
客「え?在庫置いてないってどういう事?」
俺「特殊な商品なんで、メーカーに聞いてみないと・・・」
客「だってこのカタログ、おたくでもらってきたんだよ?」
俺「ええ、ですが・・・」
客「置いてないなんてオカシイじゃんよ!」


カタログ商品全部置いてたら店あふれるっつーの馬鹿。



●論外その5

客「すみません、これ壊れちゃったんですが」
俺「いつご購入されました?」
客「二週間前くらい。返品してよ。」
俺「申し訳ございません。返品は一週間以内でないと・・・」
客「でもすぐ使うんで。」
俺「お買い上げの際にもお伝えしたと思うんですが、一週間以内・・・」
客「二週間で壊れるようなモノ売りつけといてか!」


俺らが作ってるんじゃねえよ。その為の一年保証だろうが。



まあ、今回の題材は、賛否両論真っ二つだろう事はわかります。ただ、上記のような態度に出らると、こちらとしても気分悪いです。そんな客に値引き交渉されても、間違いなく値段は下げません。

最後に、安く買いたいあなたの為に、どうすれば値切りやすいかをちょっとだけ伝授。



●「前もここで買ったんだけど」という事実を前に出さない

こういう客は結構出現率高いです。「何台もここで買ってるんだから、もうちょっとまけてよ。」って言われても、そんな昔のことは知る由もなければ、確認する手立てもありません。買った人全員のデータ管理しているところなんて少ないですよマジで。

あまり効果ない上に、販売員の、安くしようなんて気持ちは失せるので極力避けましょう。


●「○○も一緒に買うから」発言は早めに

これは実はちょっとだけ効果があります。でも、不景気な現在では、それほど大幅な効果はありません。本当に儲けが少ないんですよこの業界。販売員も結構な値引率を既に出しているんです。

もしこの発言をするのであれば、交渉の序盤あたりで出すのが効果的。


●客意識をなるべく持たない

確かに客であることは事実なのですが、偉そうに「俺は客だ」的な言葉遣いは厳禁。建前上、こちらはニコニコかつ丁寧な言葉遣いをすると思うのですが、心の中では「他で買えタコ」という気持ちでいっぱい。

客とはいえど、低姿勢でのぞむと、こちらも「もうちょっと頑張ってみようかな」と思ったりします。


●粘りはほどほどに

これ以上値引きは出来ないといわれても、少しは粘りましょう。言葉遣いはなるべく丁寧にした方が、こちらの気分も損なわず、成功率が上がります。

ただ、あまりしつこく交渉しないようにしましょう。最後の最後でオマケなんかをつけてくれなかったりします。


●販売員を指名する

これはかなりの効果があります。つまりは販売員と仲良くしてしまうのです。何度も足を運んで、何かを買うたびに販売員を指名する。これを繰り返すと、販売員はとても気分がよくなります。

ただ、このときも例外なく、あまり客意識を持たないように。持ちすぎると「うわ、また来たよ。」と、逆に敬遠されてしまいます。


とまあ、いろいろと述べさせていただきましたが、あくまで販売員としてのものの見方をしております。「そんなん販売員失格だ!」とか思った人もいるでしょう。今まで述べてきたことを、「やるな」とはいえません。あくまでも「やってほしくない」レベルで留まります。

ただ、販売員の機嫌を損なうと、客側としても、値引きしてもらえない・オマケをつけてもらえない・有力な情報を教えてもらえないなど、デメリットが多いんですよ。その辺を考慮すると、どういう買い物をすればいいかわかると思うんですが。

販売員もお客様も気持ちのいい買い物を心がけていきたいもんですな。俺だって他の店行けば客なんだし。


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