友人Kその8 〜Kの病〜


前回の更新分で終わりにしようと思った友人Kの偉業だが、「此れを語らずして何が友人Kぞ」という事件が勃発したので紹介しよう。

ボーリングにカラオケに草野球にマージャン・・・趣味多彩なKだが、ある日をさかいにプッツリと連絡が途絶えた。大体2週間に1〜2回程度で「どっか行こうぜ」という電話を入れてきたKとしては珍しい事だ。

他の友人からの噂を耳にした。どうもKはここ1ヵ月くらい体調を崩しているとの事。それは可哀想にと電話を入れる俺。



俺「もしもしー」

K「よー。」

俺「なんか体調悪いんだってー?」

K「あー。うん。」

俺「体調悪いって、具体的にはどんなん?」

K「あー。たいしたこっちゃねえんだけどよー。」



K「尿が出なくなった。」



A級エマージェンシーを大したことないで片付けるK。



尿が出ないて!いやヤバいからそれ!大したことなくないから!俺は慌てて「病院いったんか?」「いつから尿でねえんだよ?」「他にどっかヤバいとこあんの?」などなど質問攻めをしてしまった。



俺「で、医者は何て言ってるんだよ?」

K「いや、まだはっきりとしたわけじゃねえんだわ。」

俺「病名すらわかんねえのか?」

K「んーとね、今度の検査ではっきりするらしいんだけど」

俺「うん。」

K「まあ、膀胱炎か、最悪・・・」



K「ガン、だとさ。」



さすがに笑えない。今度ばかりは笑えない。あのバカばっかやってきた友人Kが・・・ガン?そんなバカな。俺は気の利いた言葉もかけてやれず、とにかく結果が出たら絶対に連絡くれと言い残し、電話を切った。



それから数日後・・・友人Kから電話が入った。結果が出たのだろうか。



俺「もしもし!Kか!」

K「なんや息巻いてるな。」

俺「そりゃ息巻くっつーの!で、結果は?」

K「おー。結果な。出たぞ。」

俺「ど、どうだったんだよ・・・」



K「腎結石だとさ。」



膀胱炎とガンは忘却の彼方かコラ。



あいたたた。新たな選択肢が出てきちゃったよコレ。尿が出ないのはアレか。石がいい感じでジャマしてたか。わーい。心配して損したよオイ!

はてさて、Kを診た医者がいい加減なのか、それともKの身体の作りとかが尋常じゃないのか・・・今となっては知る由もありませなんだ。








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