正義の報告書 序章 |
男なら誰しも「ヒーローになりたい」と願った事が一度くらいはあるはずです。そんな男の永遠のロマンを叶えてくれるゲームがこれ「正義の味方」(PS2用・ソニーエンタテインメント)。 ここではまず、このゲームが一体どのようなものであるかを簡単に説明しこうと思います。 なんでもない平和な街「只野市」に悪の秘密結社「ゲネス」が出現した!銀行強盗にストーカー、挙句の果てには万引きなど、大小関わらず悪事を働くゲネス。そんな悪行に耐えかねて、ある一人の若者が立ち上がった! 彼の名は水原光一。正義感満ち溢れる彼も、人間の5倍の力を持つと言われる「ゲネス戦闘員」にはなすすべもなく、あっけなくやられてしまう。そんな彼に救いの手を差し伸べた者がいた・・・。 そして光一は、謎の人物の手により、超定番の変身能力を持った「正義の味方」へと生まれ変わり、ゲネスとの戦いへとその身を投じていくことになった! ストーリーはまあこんなものです。ここからだけ解釈すると、横スクロールアクション、もしくはポリゴン格闘という、いかにもありがちなゲームジャンルを想像される方が多いかもしれません。ところがどっこい。このゲーム・・・ 基本的にアドベンチャーだったりします。 ゲームの流れを説明するとこう。
特筆すべきは「CMムービー」と「お便りチェック画面」。ゲームは30分番組仕立てになっていて、全話の合間に各々異なるCMが挿入されます。なおかつ番組終了後は、視聴者から来たお便りをチェック出来るというオマケ付。 無駄な所で妙な懲り様。 匂いませんか?ほら。バカゲーの匂いがプンプンしませんか?その匂いにつられて、俺はこのゲームを買ってしまいました。そして今、筆・・・もといキーボードを打っています。 しかもこのゲーム、プレイ中に常時表示されている、とても嫌なパラメーターがあるんです。 視聴率。 そうなんです!正義の味方になるとはいっても、「あくまで視聴率を稼ぐための歯車に過ぎない」という、のっけから「男の永遠のロマン」がどうのとか語っていた自分が恥ずかしくなるようなオチが待っていたのです! 主人公は、アドベンチャーパートにおいて、町の人々から情報を入手、次に怪人が現れそうな場所の目星をつけ、その場所でイベントがおこる時間まで待機。場所が合っていれば無事イベント発生で視聴率アップ。イベントが起こる別の場所にいた場合はイベントを逃した事になり、視聴率がダウンするのです。つまりこう。 30分の番組中でイベントを出来るだけ逃さず、怪人にも無難に打ち勝ち、目標視聴率までこぎつけて番組を終了すればクリア。下回れば即打ち切り という、思いっきりビジネスの絡んだアレなゲームだった訳です。つーか特撮モノを生放送でやろうっていう企画段階で打ち切られてもいいように思えるのですが。 かくして、俺はこのゲームの報告書を書くにいたった訳です。なにぶん久しぶりなので、気長に付き合って頂けると光栄に存じます。 |