正義の報告書 三章 |
ゲネソルジャー達にやられてしまった光一とマスター。そんな二人を、空から不思議な光が包み込んだ。宙に浮かび上がり、行き着いた先はその光を出していた宇宙船らしき乗り物。 その乗り物の内部で目を覚ます光一とマスター。目の前にはなんとも素っ頓狂なカモノハシ似の服を着た動物が。アジャラの登場である。 発する台詞という台詞の語尾に「カモ」をつけて話すこの小動物野郎は、どうやら宇宙人らしい。ゲネスの事もよく知っているようであった。そしてこの宇宙人は、光一に不思議なアイテムを与えてくれた。左手に光るフォースクリスタルである。 そう!変身能力だ! 早速言われるままに変身してみることに。光一は叫んだ。「ジャスティスチェーンジ!」 教わりもせずに、しっかり変身モーションをとるあたりは定石通りといったところか。 力いっぱいそれっぽい変身シーン(BGMは主題歌)が終わり、遂に、遂に光一は変身能力を身につけたのである!これからが本当のはじまりだ! アジャ「それ(フォースクリスタル)を使えば、常人をはるかに超える感覚と力を持つ・・・」 アジャ「電磁電人デンジー★ペキンに変身できるカモ!」 光 一「電磁電人デンジー★ペキンだって!?」 光一、かなりショックを受けてます。そりゃいきなりこんなカモカモうるせえ小動物に変なもんつけられて、挙句の果てに「電磁電人デンジー★ペキン」なんつー訳わかんねえ名前のついたヒーローに変身できるなんて言われても。 その後ぼそりとつぶやく光一。 光一「なんだか格好悪いような・・・」 こんな台詞を吐く主人公のヒーローモノなんて普通ありません。 そして結局そのまま元の場所に戻される光一とマスター。そこには未だにゲネソルジャー達がたむろっていました。 「げっ!まだいやがったのか!」 驚くマスター。当然です。やる事小さい上にしつこい奴らです全く。そこで早速光一は電磁電(長いので略)に変身!ヒーローらしく、カッケエ決め台詞を! 「クールクールと冷たい時代を、ホットなソウルで熱くする!」 「電磁電人デンジー★ペキン、参上!」 ・・・ちっとも決まってないよデンジー★ペキン。 この決まってない決め台詞を吐いている間、デンジー★ペキンは様々なアングルからアップで撮られます。バシーン!バシーン!バシーン!上空から!ローアングルから!真正面から! どのアングルでもおかまいなしに変質オヤジ色爆裂なヒーロー、デンジー★ペキン。 一話で打ち切りになってもおかしくない勢いの中、ゲネソルジャーとの戦いが今始まっ(中略)ゲネソルジャーを倒した光一。次に倒すべき相手はいよいよ「金融怪人ビッグバンマネー」だ!しかし次は一体どこに現れるのか? 再び街の人々に聞き込む光一。どうやら次のターゲットは銀行である事がわかった。そうはいかないぞビッグバンマネー!この俺がいる限り!光一は銀行へと急いだ! 既に銀行内を襲っていたビッグバンマネー。 遅い。遅すぎですデンジー★ペキン。未然に防げなくてどうすんだ馬鹿。仕方ない。奴が出てくるまで待つ事に。情けないヒーローだなオイ。 待つこと数分。ようやくゲネス達が銀行から出てきた。既に銀行周りを取り囲んでいた警察の銃弾なぞ目もくれず、手榴弾を投げ放って追い払うゲネス達。もはやこの状況を打開できるのはデンジー★ペキンしかいない!と思ったらなんでビルの屋上でつきもしない格好つけてんだアンタ。 「恥ずかしさ100万倍だけど、こうなりゃトコトンやってやるぜ!」 とか、高らかに笑いながら言い放つデンジー★ペキンにちょっとだけ漢を感じつつも、まずは露払いのゲネソルジャーとのバトルからスター(略)に勝利したデンジー★ペキン。もうゲネソルジャーなど赤子同然。デカイツラはさせないぜ! そしてビッグバンマネーとの一騎打ち!怪人はゲネソルジャーと違って、必殺技を持っています。この必殺技っつーのがかなりの曲者です。 怪人は、体力が3以下になってくると、二度まで必殺技を使ってきます。当たると容赦なく一発KO。バトル終了。まさに読んで字のごとく。 つーかこんなところだけシビアにすんなナス。 しかも一話では、主人公は必殺技を使うことが出来ないんです。怪人が使えて主人公が使えないなんてアリですか?とか言っているうちに、ビッグバンマネーが必殺技を使ってきました。 ビッグバンマネーは、袋から出した札束を、頭のがまぐちに放り込み、腰を振り始めた!そしてドス低い不気味な声で叫んだ!来るぞ必殺技! "マネーチェンジャー" チャリチャリチャリチャリリーヌ。口から無数の五円玉を吐き続けるビッグバンマネー。 ・・・。 ・・・・・・。 ・・・・・・・・・え? これが必殺技ですか?こんなチンケな技が必「ぐわああああああああああ!!」倒れるデンジー★ペキン。 ええーっ!? おい!こんな技でやられるなよデンジー★ペキン!お前が倒れたら、一体誰が只野市をゲネスから救う事が出来「ズギューーーーン」倒れるビッグバンマネー。そしてはるか遠方に見えるは、銃を撃ち放ったQTセイバー。 えええええーっ!? そんなんアリ?アリなんですか?だったら最初から銃で倒せよQTセイバー!アンタ最初と最後しか出てきてねえじゃんか。 かくして、ヒロインQTセイバーの手によって 喫茶店でテレビを見ていると、ローカル美人キャスター「結城やよい」が事件のあらましを説明している。 光 一「いいなあ、俺やよいさんのファンなんすよ。」 マスタ「結城やよい?それなら俺の娘だぞ。」 光 一「ええ!?本当ですか!?」 マスタ「ああ。本当だとも。ウチにも帰ってくるぞ。」 光 一「住み込みバイトとして働かせて下さい!」 ここに、あまりに露骨なヒーロー誕生。そしてバイトのサヨちゃんが「かわいいでしょー?」と新たなメンバーを連れてきた。光一に力を与えてくれたカモ野郎「アジャラ」だった。 「世話になるぞ、ヒゲ。」 いきなり現れてその台詞まわしはどうかと。素敵すぎますこのカモカモ言う宇宙人。(〜第一話・終〜) |