1981,01,12 / 19:17
とある日、俺は連れの勧めで、その連れと二人で、大阪の江坂にある妙な飲み屋
「異次元空間Lockup」に赴いた。まず入り口の自動ドアをくぐると、薄暗い空間に扉が三つ。あたりは一つで、他二つを開けると、骸骨やら目玉の作り物が壁に埋まっていた。
どこかのお化け屋敷か何かですか?と連れに聞くも、ヤツは沈黙を守ったままであった。
なんとか入り口を探し当てると、そこには青い警察の制服に身を包んだ姉ちゃんが二人。み、み、
ミニスカポリスだ!!俺が目のやり場に困っていると、そのミニスカポリスは
「はじめての方ですか?」と聞いてくる。(ここは居酒屋じゃないのでは・・・)と、勝手に推測し、
不埒な勘違いをして、やたら期待しつつ頷く俺。
「それでは前科一犯となりますので、逮捕致します。」
常連客は
常習犯にでもなるのだろうか。おもむろに手錠を出し、俺の腕にかけようとするミニスカポリス。がしかしかけそこない、
手首の肉を挟まれ、痛いながらも
何のリアクションもとれない俺。しかしなんの躊躇もなく、作業的に手錠をかけ直す
ミニスカポリス。一言くらい謝れ
ミニスカポリス。いてえんだっつーの
ミニスカポリス。
「お客様二名連行しまーす」
ワケもわからないまま、連行される場内。テーブル席が数個、座敷も数部屋用意されていたのだが、その座敷のふすまの代わりに
鉄格子がかけられている。なるほど、刑務所にみたてているわけか。ようやく状況が把握出来た俺達は、メニューを手に取った。
普通であれば、
「軽食」「肉料理」「揚げ物」など、わかりやすいカテゴリ別で並んでいるはずのお品書きが、
「軽犯罪」「重労働」「囚人更正職人訓練室」などという、皆目見当がつかないカテゴリにわけられている。それだけならいざしらず、その料理、飲み物の名前すらワケがわからない。一体どんな食いモンなんだよ。
電気ショックって。
銃刀法違反って。
執行猶予って。
まあそんな名前でも、一応その隣に軽い説明書きが記されていたので、どんな料理であるか見当はついたってのが事実なんだが、中にはその説明書きに一言「内緒!」とかわいらしく書かれていたものも
ざけんな。その内緒の飲み物を注文する連れも連れなのだが。
とりあえず飲み物を頼んでみようと、連れは
「謝罪」を、俺は
「人体実験カクテルセット」を注文。いや、モスコミュールとか、スクリュードライバーとか普通のもあったんだけどね。やっぱりこういうところにきたら、
似つかわしいもんを注文しておかないとネ!はてさてどんな飲み物が来る事やら。しばらくして、囚人っぽいウェイターが飲み物を運んできた。
ビーカーに入ってくるバナナリキュール「謝罪」。
丸底フラスコ&試験管に入ってくる「人体実験カクテルセット」。
次からは普通のものを注文しようと後悔の念にかられる俺達。結局料理は無難なものを数品頼み、刑務所を出ることにした。しめて
6800円にて保釈される俺達。
刑期は一時間。いやあ貴重な経験させて頂きました。おみやげにマッチももらったし。
で、そのマッチを見てみると・・・あ・・・
名古屋にもチェーン店ありやがんの。
しかも職場の近くあたりに。