2009,03,15 / 22:51
マイラの町についた勇者を待っていたのは、心無き町人の一言だった。
「お前がロトの血を引くもの?何か証拠でもあるのか?」
またお前か。
え、なに?なんかアンタに勇者たる証拠を提示しないと、世直しの旅しちゃいかんの?棍棒と布の服スタートで竜王を倒そうってんだから、
ものすごい頑張ってると思うよ勇者。もっと温かく見守るなり、情報くれるなりしては下さりやがらないんでしょうかこの証拠厨。
いやいやこんなところでツッコm・・・もとい、つまづいてては竜王など倒せない。新しい町に着いたら、とにかく情報収集。基本ですよね。なにせ昔のゲームなんで、こっちから情報聞き出さないとホントに話進まないんで。よしあの人に聞いてみよう。
「ここは露天風呂でございまーす。効能はリュウマチでございまーす。」
早速やる気が削がれる勇者。モンスターが我が物顔で世界を席巻しているというご時世に、なんとものん気な事で。この露天風呂イベントは何の必要があるんだか。もうほっといて次いこう次。・・・むむむ?
なにやら町の中だというのに、毒の沼地を発見。しかもその沼に囲まれる形で、老人が。むむむ。なんとも重要そうな。毒の沼地でダメージを受けながらも、その老人に話を聞くため、歩みを進める勇者。くっ、数歩とはいえ、レベル7でこのダメージは痛い・・・
「ロトの血を引く勇者よ!しかしその武器では竜王を倒せまいぞ。」
お前竜王の何知ってんねん。
この世界はアレか。単なる一町人が、竜王に通用する武器とかそんな細かい情報握ってんのか。それともこの老人、かつて竜王と剣を交えた事があると言うのだろうか・・・いやでもその武器では倒せないってのも普通にガセだし、なおかつ意味もなく毒の沼地に囲まれて暮らしてるっぽいので、ただ単に
この老人がボケているという、投げやりな結論に達しました。
「また来るがよ
二度と来るかボケ!
・・・いかん。いっこうに話が進まない。まさかファミコンにおけるRPGのパイオニア、名作中の名作であるドラクエ1に、ここまでつっこみどころがあったとは。全部につっこんでいてはラチがあかない。ここはつっこむのをぐっとこらえて、とにかく色々な人に話を聞いてみよう。かくして
「古い言い伝えでは、妖精たちはゴーレムを眠らせたそうじゃ。」
「ゴーレムは笛の音が苦手だときく。」
「南にリムルダールという町があるらしい。」
「うわさではリムルダールでは鍵を売っているらしい。」
などという、
初対面で交わす会話としてはあまりに不自然だが絶対重要であろう情報を集めることが出来た。つまりはとりあえず南行ってリムルダールの町で鍵とやらを買ってきんしゃい、という事だ。ただ町で売っているものの情報ですら、噂として入手しなければいけないのかと、一抹の不安は拭い去れないが無理やり気にせず南へ。
しかしリムルダールへ行くためには、どうやら南の洞窟を抜けなければならないらしい。そのまま入ってしまうと真っ暗なので、たいまつを用意してともしてみた。
視界悪すぎ。無駄に厳しいファミコンゲーム。
いやホント、この時代のゲームはとかくユーザーに厳しかったんです。たいまつごときではこの程度の視野しか確保できず。でもなぜか
体が覚えてたんで、難なく洞窟を出ることが出来ました。しかし洞窟から出て数歩で、リカントに瞬殺されました。はっきり
「あなたはしにました」と表示されました。なのに・・・
・・・あれ?死んだはずでは?なぜかラダトーム城の王様の前に立たされてる勇者。そして王様が一言。
「おおすきなの!死んでしまうとは何事だ!」
アンタのその物言いこそ何事だよ。
ああああああまたもやツッコむところが多すぎる。大体死んだ者に対して「何事だ」とは何事だよ。勝手に生き返らせて、なおかつお叱りの言葉を浴びせるとは、なんとひどい世界。そして死ぬことすら自由でない世界。あまりにも厳しすぎる世界。
そしてしっかり半分とられている所持金。
え?え?どういう事?生き返らせてやったんだから、蘇生代として所持金の半分とられた・・・っていう解釈でいいの?それとも、死体を生き返らせてここまで運んできた運賃も含まれてるのか?そもそも誰がここまで連れてきたんだ?え?え?
ゲームだしって事で強引に納得させました。俺を。
早くも切り札を使ってしまいました。もう「ゲームだし」って言い方しちゃったら、今まで書いた文章全否定するようなもんじゃん。だから使いたくなかったけど、もう使わざるを得ません。じゃないと「世界を救う為に立ち上がった勇者にも120ゴールドしか出せず、しかも死んだら死んだで勝手に生き返らせて、その大義名分の下あまつさえ勇者の所持金すらまきあげるという、どうしようもない甲斐性なしな王様」という注釈がしっくりきてしまいすぎるのです。
いやいや腐ってもドラクエ!そんな王様が存在するはずもない!王様は威厳を保っていると信じたいのです!例えドラクエ2ではハーゴンを恐れて
武器屋の2階に隠れていたヘタレ王様なんてもんがいたとしても!うわ自信なくなってきた閑話休題。
しかる後、ほぼ瀕死の状態でリムルダールに到着。やっぱりレベル7で行くような場所ではないと痛感しつつ、折角来たんだから色々話を聞きたいし。あと噂ではここに鍵が売ってるらしいし。案の定、資金不足で武器には手が出ませんでしたが、鍵くらいはね・・・っと、あ、あれは・・・
勇者の2Pカラー発見ってオイ。
多分ラダトームあたりからいたんだろうけど、いや気づかなかった。さすがに勇者くらいはグラの汎用性無くそうよ。「やあすきなの!すきなのじゃないか!久しぶりだなあ!」と誰だテメエ的な言葉を発しやがる2Pカラー。他にも、ドラクエといえばこれ!もはや伝統になりつつある「ぱふぱふ娘」発見!これが元祖ぱふぱふ娘。すべてはここから始まったのである。
「おいでぼうや。ぱふぱふしてほしいなら50ゴールドよ。」
50Gなら持ってるぜー。って、アレ。選択肢が出ない。もう一度。ぴっ。
「おいでぼうや。ぱふぱふしてほしいなら50ゴールドよ。」
ぴっ。
「おいでぼうや。ぱふぱふしてほ
いいからぱふぱふさせろやねえちゃん。
なんだよ。50Gなら安いもんじゃんか。ぱふぱふしたかったのになあ。っていやいやこんな事している場合じゃない。とにかく鍵屋を探さないと。うろうろしながら情報収集しつつ、鍵屋を探す勇者。
「古い言い伝えでは、ロトはこの島の西のはずれに虹をかけたそうじゃ。そして魔王の部屋の隠されたる入り口により闇に入ったと聞く。」という、古い言い伝えの割には描写が細かいっていうかむしろあからさまなヒントや、「あなた誰?出て行かないと人を呼ぶわよ!」などという、いや開いてるから入ったのになんだよその言い草ってなどうでもいいもの、「竜王のカラダを貫ける剣が、この世にあるのだろうか・・・」っていう、二度目のあんた竜王の何しってんねん的発言まで、若干気が滅入りつつも聞き込みを続ける。
・・・そして歩き回ること数分、ようやく鍵屋を見つけたのだった。
■同カテゴリ最新記事■
そこが竜王の恐ろしいところなんですよ。
続き心待ちにしてました!
やはりギャグはツッコミあってこそ輝くものだと再認識。
ドラクエに対してここまで見事にツッコめるのはさすがですね。
あと所持金の半分は魔物に持っていかれたって説もありますよ。