2009,06,20 / 00:00
「バストは、がんばれば大きくなるのか?」
先日、そんな見出しの記事があった。
内容は、ブラやシールやジェルまで
ありとあらゆるグッズを紹介し、「夏に向かって頑張ってもいいかも」と
期待させるようにな文句で、記事はしめられていた。
大きくなるかいそんなモン。
根拠なき提案に騙されるほど、こちらは甘くない。
30余年の人生、茨のような経験を数多くしてきた。
騙されやすい若いモンに、私の恥ずかしい経験をこれから書くので
是非、教訓にして頂ければと思う次第である。
私は、昔から細身な体つきをしている。
一時期は、アッキーナも真っ青な体つきであり
皆に「羨ましい」と言われつつ、相当引かれてた時期もある。
妹は私の姿が見えると、まるでジングルのごとく「ホネホネロック」を歌うし
実の親には、「鶏がら」と形容されていた。
ダイエットに励む女友達ですら
「痩せたいけど、アンタほどにはなりたくない」
と、はっきり負け惜しまれた事もある。
それはそれで子供の頃からなので、慣れてはいたのだが
思春期と呼ばれる時期を迎え、私には深刻な悩みが出来た。
女性のシンボルであるパイオツが、一向に育たないのである。
いや無い事はないし、あるにはある。
しかし私のそれは、胸のあばら骨の上に
まるで申し訳なさそうに、膨らんでいるだけであって
一般女性のような、「胸」と呼べるような存在感は無いに等しい。
いや膨らんでるのではなく、もはや腫れてる状態だ。
「細くてスラっとしてて羨ましい」
とよく言われたが、私にしてみればアンタのチチの方が羨ましい。
私の悩みは、非常に切実なものだった。
男でも、あの箇所が大きい小さいで悩んだりすると聞く。
しかし男は、ズボンを着用すれば大きさなんてわからないという利点がある。
女は服を着てても、大きさ形がわかってしまうのである。
隠せる男と違い、小さいのがわかってしまうのでこれは本当にやり辛い。
多少ポッチャリでもボインな女と、細身で華奢な女とでは
明らかに前者の方が、モテ度では上である(30年以上の経験上)。
これは、セックスアピールである胸が
見えるのと、見えないの差であると言える。
パットなんてしてても不自然なので、すぐに「ニセチチ」呼ばわりされる有様だ。
モデルのような大きいのでなくていいから、世間一般ぐらいの大きさでいいから
そんな贅沢は言わないから・・・高校の時はそんな心境で第二次成長期に期待していた。
細川ふみえが、背を伸ばそうと牛乳を飲み
逆に、フーミンパイが脅威の成長を遂げたという話を聞いて
私もそれに習おうと思い、牛乳を飲みまくったら
体質のせいなのか、自分の場合は身長が伸びてしまった。
痩せてるのが悪いのかと、懸命に太る努力もした。
しかし何が悪いかは知らんが、ポテチ一日一袋を日課にしても
体重は、一向に増えない。
何をしても、太るどころか貧乳のまま成長しないので
20を迎える頃には、もう諦めていた。
そんなある日、同じような悩みを抱えた友人から
某雑誌の宣伝ページと共に、こんな話を持ちかけられた。
「これ、割り勘で一緒に買えへん??」
見ると、そのページには
「これを飲めば貴方もバストアップ!!」
という見るからに怪しい文句と共に、ピンク色の錠剤の写真が・・・。
いやいやいやいや。
そんなん、大きくなる訳ないだろう。
そう言って抵抗したものの、彼女は説得にかかってくる。
2人で1個買って半分にしたら、安価で効果を試す事が出来ると。
そう言われちゃうと、そうかなと言う気持ちになるし
かすかな希望も、そこに生まれる。
「もしかしたら・・」と、期待してしまった訳だ。
そうなると、がぜん夢は広がる。
階段で揺れるデカパイ、谷間だって出来ちゃうかもしれない
杉本彩になれる峰不二子になれるレースクイーンにだってなれる!
妄想が悪ノリしたところで、持ちかけた友人がこんな事を言った。
「ヒロの名前で注文しとくから」
は? 何言ってるの??
「ウチの親は厳しいから怒られんねん。頼むわ〜」
いや、ウチの親も何言うかわからんし(汗)。
と思ったものの、注文する手間が省けるので友達に任す事にした。
そして数日後、父親から家に荷物が届いたと言われた。
しかも、現金引換えなので3万ほど払ったとの事。
「そんな高価なモン、注文した覚えはないで」
と言いながら、家族の前で箱を開ける私。
中味を見て、大爆笑の家族。
思い出し、急いで自分の金と友達から預かった金を出す私。
穴があったらブラジルまで突き抜けたいとは、まさにこの事である。
特に妹には、ありとあらゆる言葉を駆使して思いっきりバカにされた。
「友達のせいにしてるけど、お姉ちゃん主導やで絶対」
と、根拠のない断定までされた。
アホ呼ばわりはもちろんされたし、数日間は私を見る家族の目線は顔でなく胸にあった。
その後、意味のないため息までつかれるという恥辱の日々を送った。
このように恥ずかしい思いをして購入した、バストアップのサプリメントは
読んでる皆様の期待を外さず、見事に効かなかったが
体形に比例して、本当に体の弱い友人によると
「ホルモンの状態は、良くなってるみたい」との事。
体の調子が、ホルモン的にちょっと変わったそうだ。
確かに、抜け毛は減ったかもしれん。
怪しい薬で女性ホルモンを強化しても、バストアップには繋がらなかったのに
ブラジャーやジェルという、ほんの小手先の方法では
夢のCカップになんか、なれる訳がないのである。>記事
あれから10年ほど経つが、私は相変わらず色気というものも
儚げな雰囲気もなく、モテ要素はゼロである。
あの頃とは違い、離婚経験者にもなったが
バツイチの、妖艶な雰囲気というのですら持ってない有様だ。
それはそれで、楽しい人生である。
が、前開き服から見える谷間でメンズを誘惑したいという願望は
今でも、持ち合わせている。
夢もパイパイも、デッカイ方が良い。
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