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星をみるひと
伝説のクソゲーとうたわれた「星をみるひと」。足はおせーわ、最初の町は見えねーわ、スタート地点付近に最強の敵がうろうろしてるわ、伝説のクソゲーの名は伊達じゃない。

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星をみるひとクリアレポート

■第一章 旅立ち
「伝説のクソゲーをレビューする」

俺は期待と不安で胸がはりさけんばかりだった。様々なサイト、雑誌などでクソゲーのレッテルを貼られている、あの「星をみる人」をこの手でプレイする事になろうとは、夢にも思わなかったのである。

あたかもそれは、禁断の扉を開いてしまったかのようで、果たしてこの俺ごときがレビューしていいものかどうかすら、解りかねるものであったが、何事もやってみなければわからないものだ。

永き眠りについていた我が愛機「ファミリーコンピューター」にカセットを挿入し、生命を吹き込むかの如くスイッチを入れ、テレビを凝視した。



タイトル画面,星をみるひと




思いの外美麗にて、タイトルだけを見た限りでは、クソゲーとは所詮噂に過ぎないかとさえ思われた。早速スタートを選択。プレイ開始。

俺の期待を裏切らない、粗末なドット絵が眼前に展開される。それでこそレジェンドオブクソゲーの名を欲しいままにしているゲームだ。ストーリーの紹介など微塵もない開き直りよう。私はとりあえず、RPGの定石ともいえる、「スタート地点付近にある町」を目指したが・・・


建物らしきものが全然ないのはアレか。何らかの試練か。



うーむ、いきなり出鼻をくじかれた気持ちで一杯だ。俺どうすればいいのか。とりあえず、まわりをうろうろしてみる。む?なんであろうかこの歩行速度の遅さは?処理が重いのか・・・?しかしこの重さはグラディウスおよびエグゼドエグゼスクラスまで到達していて



どう見ても弱っているようにしか見えない。



この超鈍足にて歩こうにもいっこうに町は見あたらず。ともすれば、当然定石その二「モンスターの出現」である。しかしどうだろう、このえもいわれぬ戦闘画面は・・・


戦闘画面,星をみるひと




主人公「みなみ」のHP、たった5て。



まるでかの名作「ウィザードリィ」のようだな、と思っていたら、主人公の初期HPは実は「50」で、戦闘画面では一の位は表示されないというものらしいのだ。いやそんな思い切った行動に出られても。いきなりツッコミどころ満載でツッコミきれる自信がないが、戦闘を進めてみよう・・・ん?あ、あれ?



コマンド郡に「逃げる」が見あたらないのだが。



敵が出てきたら必ず戦わなくてはならぬという事か?はーメンドクサイ。仕方なくオーソドックスに「たたかう」を選ぶ。

「だめーじをあたえられない」・・・あれ?



敵の攻撃。  「13 の だめーじを あたえた」



みなみの攻撃。「だめーじをあたえられない」



敵の攻撃。  「15 の だめーじを あたえた」



みなみの攻撃。「1 の だめーじを あたえた」



敵の攻撃。  「14 の だめーじを あたえた」



みなみの攻撃。「2 の だめーじを あたえた」



敵の攻撃。  「15 の だめーじを あたえた」



ゲームオーバー,星をみるひと




主人公、1分たらずで撃沈。



なんだこのエキサイティングなゲームバランスは。・・・っていうか、バランスとりをしたという努力がいっこうに垣間見えてこないのは俺が疲れているからですか。



最初のエリアに出てくる敵が、ゲーム上最強の魔法を唱えてくるっていうのは見なかったという事で。



だが、このくらいの理不尽さは承知の上。また最初からスタート。今度は敵1グループ倒す度にパスワードを取る事にした。こうでもしないとレベルあがる前にまた撃沈しかねない。で、経験値稼ぎにまたフィールドをうろうろしてると、急に画面が暗転。



知らない間に町の中にいる主人公。



えっ?あれ?いや、それらしきものは全然無かったんだけど。一体どこに隠されていたんでしょう?



隠された町,星をみるひと




っていうか、普通気づきません。



とりあえず、町中をこれまたとても遅い足で徘徊してみる。しかし一体何だこの力一杯異様なBGMは。本当に街なのか?俺はてっきりどっかのダンジョンに迷い込んだと思ってしまいました。そして街にいたじじいに話しかけたら「ここにいれば、あんぜんです。」とか言い出した。



微塵も落ち着かないBGMかけておいて何を言うか。



そしてまた徘徊を続行。途中、武器屋・防具屋・薬調合屋などがあったが、金がないので無視。画面下部の方の川(?)のほとりにいる女性に話しかけてみる。



「むらのすがたがみえないのは、みんなのちからをあわせてすがたを、けしているからです。」



そんな強引な理由で納得できるか。



自分たちが良ければそれでいいみたいです。そしてこれはこのゲーム全般的に言える事なんですが、句読点の位置や、誤字脱字など、日本語が、「漫画に出てくるテンプレート外人」レベルまでイッてます。非常に危険です。本当に大人が作ったんでしょうか?

そしてその女が言う「みんな」とやらも、結構自由奔放に動き回っていて、力を合わせている様には到底見えようもないところが滅法愉快でなりません。

全部にツッコむと膨大な量になりそうなので、先に進める為に、傷を癒やしてくれる宿屋的存在の人物を見つけて、HP(当ゲームでは「ひっと力」というそうですが)・さいこ力を全快させてまた経験値稼ぎへ・・・。長い戦闘を終え、経験値とお金をゲット。するとなにやら「ぴぴぴぴぴ」という音が鳴った。レベルが上がった音である。

どの能力がどれだけあがるという表示はおろか、レベルが上がったという表示すらない思い切りの良さにはただただ脱帽。さすが伝説のゲームだ。これはやりがいがある。



レベルがあがったということは、すなわちMAXHPなんかもあがってると思うのが至極当然。町に戻り、傷を癒やしてもらう。現在HPを見て驚愕。



ひゃ、150ぅ!?



まったくこのゲームはやってくれる。1レベル上がっただけで、MAXHP3倍という大胆さ。ついでにもう1レベル上げてやると、今度はMAXHPが310に。あわわ。インフレだ。HPのインフレだ。



レベル2上げただけで、MAXHP6倍て。



なのにその上がり方に全く追随しない攻撃力。



えっ?いやいや。HPがあんだけの上がり方を見せたのに、攻撃力が殆ど上がらないなんてんなバカな。でも実際、レベルが5になっても、素手で与えるダメージの最高はわずか3



素手で与えるダメージ、一生このままか。うわあ。



武器装備時に与えるダメージも、レベルが4〜5あがってやっと1増えるくらい。うむむ。現在の主人公の攻撃力はいったいいかほどなのか?えーと・・・ん?んんんんっ?



パラーメータ,星をみるひと




おかあさんおかあさん!攻撃力がないよこのゲーム!



これじゃあ自分がどんだけ強くなったかサッパリわかんないヨ!どうやらこの「じゅくれんど」ってのが攻撃力っぽいんですが、マニュアルないからあくまで推測の域を出ません。つーか防御力あるんなら、攻撃力でいいじゃん。変なところで凝るなよ。



噂は本当でした。これだけみても、クソゲーである事は間違いないようで。じ、自信無くなってきた・・・。






星をみるひとやってみてえ!