2009,06,20 / 00:00
とある中2病な内容の小説の設定を読んで、小話を書いてみた。
6本の伝説の剣とやらの話で、剣の設定が見事に中2だったので緩和アレンジを加えてみる。
以下、小話。
「ついに伝説の剣が6本全て揃いましたね!」
「そうね。」
「勇者さんが今まで絶対鞘から出すなよ、ってもったいぶってたからさぞ恐ろしい威力
なんでしょう…。」
「そうね。」
「そうだなぁ、例えばこの風の剣なんかは鞘から取り出しただけで魔物を吹き飛ばすほどの
暴風が起こり、炎の剣は煮えたぎるマグマのような熱さで敵を溶かし、地の剣は大地を裂き、
水の剣は汚れた川をも浄化し、光の剣は空間を切り裂き、闇の剣は鞘から抜いたら持ち主が
暴走して、血をすすらないと暴走が納まらない恐ろしい剣だったりするんだろうなぁ…。」
「…あのさぁ、さっきから何かボクが考えた最強の剣って感じで夢を膨らませてるが、そんな
剣存在する訳ないだろう。ていうかしてたまるか。」
「あっ、そうですよね…。そんな剣あったら使えませんよね、危なくて…。」
「大体、魔物が吹き飛ぶ程の暴風が起こったら自分まで飛ぶし、マグマのような温度だったら
そもそも近寄ることもできんし、地の剣のくせに大地を裂いたらそもそも本末転倒だし、光が
何で空間を引き裂くのかわからんし、血をすすって暴走が納まるなら輸血パックとか持ち歩け
ば済む話だろ。」
「…水の剣は?」
「あったらいいね。」
「…じゃあ実際この6本の剣はいったいどういう効果があるんですか。」
「水の剣は洗濯ができる。」
「洗濯…、洗濯って服とか洗う?」
「それ以外何があるんだ。」
「何でそんなできることが家庭的なんですか…。救うのは世界じゃなくて主婦になりますよ…。」
「誰が世界を救うって言ったよ。」
「では炎の剣は?」
「洗濯物が乾く。」
「また!?」
「ほどよい暖かさが暖房にもなって一石二鳥だ。」
「…では風の剣は?」
「鞘から抜くと洗濯物が丁度いいくらいに乾く程度の風が吹く。」
「いい加減洗濯から離れてくださいよ…。これらの剣は洗濯のために作られたみたいじゃない
ですか…。」
「そんなこと俺に言われても。ちなみに光の剣は程よい光が…」
「いいです…、聞きたくないです。では残る二本の剣も洗濯に?」
「いや、あれは洗濯には使えんからいらんな。」
「地と闇の剣の存在価値は!?」
「まぁ、適当に武器にはなるんじゃないか?」
「…結局僕らは何のために伝説の剣を集めたんですか?」
「さぁ、意外と魔王が主婦だったりするのかもしれんな。」
「どんな魔王ですかそれ…。」
「そりあえず今着てる服も3日くらい洗ってないことだし、さっそく使ってみるか。」
「…そうですね。」
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