2009,06,19 / 23:59
それは、ハーレムを目指す勇者の物語。
数年前、RPGツクールで合作をしようという話になった。
作るのは1つ年下の後輩Mと私の2人。
合作ということで、イベントやキャラ作成などは分担して行うことに。
何がどういうわけか、主人公はハーレムに憧れる少年。
ハーレムを作りたい!女の子にキャーキャー言われたい!→
物語とか読むと勇者ってすごくモテてるよな→よし、勇者になろう!
ビバ短絡的思考。私たちが、ではなく主人公が。
Mが最初に作ったのは旅立ちのシーン。
主人公が目覚めたところから始まる。
起きぬけにタンスが気になって調べる。
納豆が出てきた。
もう1度調べてみる。
1週間前の納豆が出てきた。
もう一度調べてみる。
2週間前の納豆が出てきた。
もう一度(ry
2か月前の納豆が出てきたところで気分が悪くなって終了。
他にめぼしいものもないので、階下へ。
母親に話しかけるといきなり「父親のような生活を望むな」と言われ、
弟に話しかけると「サラリーマンが一番」と言われ、
並ぶリーマン系の本で、本棚にまで否定される始末。
ファンタジー世界が基礎のはずなのに、力いっぱい現実的。
冷たい家族に涙しつつ台所をあさると、鍋のふたや包丁といった装備品をゲット。
これで世界を救うというのが無理があるというか、
そもそもが何ら深刻な事態など起きていない平和な世界で
何をどうやって勇者を目指すというのか。
先行きを案じつつも家の外へ出て探索を開始。
畑を耕す人に話しかけイモをもらい、その足で焚き火に当たる人に話しかけて焼き芋にしてもらい、アイテム説明で回復量が若干上がってることに感心しつつ
いかにも村長という感じのじいさんに話しかけてみると、
牛乳を飲んでいるか?と唐突に聞いてきた。
はい、を選択すると「牛乳はいいぞ、飲み続けるんじゃぞ」と見送ってくれた。
じゃあもう片方はどうなんだ?と、もう一度話しかけて、いいえを選択。
途端、叫びをあげるじいさん。揺れる地面、轟く轟音。
戦闘画面に切り替わったと思ったら……
どうみてもラスボスにしか見えない姿に大・変・身☆
なんか黒いし、角とか翼とか生えてるし、緊迫感感じる音楽とか流れてるし、
のどかな村の光景なんて一気に吹き飛んだ。
牛乳飲んでないだけでとんでもないことになっている。
これがじいさんの本性か?しかも許さんとか言ってるし。短気なじいさんだな。
でも、じいさんだから見かけだけかもしれない。
母が研ぎ澄ました包丁と鍋のふたさえあれば大丈夫!まな板という名の鎧もある!
短気なじいさんの討伐にいざ行k
かなうわけもなく一撃で沈没する主人公。っつか、ターンが回ってすら来ない。
ぼろぼろの主人公を尻目に、「これからは毎日牛乳を飲むんじゃぞ!」と告げるじいさん。
大騒動が繰り広げられたにもかかわらず平然としている村民。
普通はあんな姿見たら怯えたり逃げたりすると思うんですが。
アレですか、ここは魔物の村ですか?
初っ端からツッコみどころ満載のシナリオでとても不安。
なぜなら、私が用意した分はシリアス一直線だったから。
Mがギャグ担当、私がシリアス担当と割り振ったら、どうやら互いの趣味に突き進みすぎた模様。
なんとか整合性を取りつつ進めるも、買ったばかりの外付けハードディスクが3ヶ月で壊れるというダメルコっぷりを発揮してくれたり、
修理に出すも数か月でまた壊れるというトラブルがあったり、お互い忙しくなってしまったりで、結局作成が進まずに今に至る。
勢いだけで作っていたが故に、完成しなくてよかったと思わなくもない。
できあがったらサイトを作って配布なんぞということを考えていた当時の私たち。
そんな形で残っていたら、恥ずかしくて逃げ出してたかもしれない。
この際、MのPCにデータが残っている可能性は考えないようにしよう。
むちゃくちゃで、中2病混じりのあのシナリオはデータの海に消えたのだと。
■同カテゴリ最新記事■