2009,03,25 / 01:26
皆様は「空想科学読本」というのをご存知だろうか?一昔前に一部で流行ったらしいこの本。その名の通り「空想を科学する」という、
どっかの企業のキャッチコピーまがいな事を行っているものである。
例えば幼い頃に憧れたヒーローやロボットなど、男性の方なら少しは覚えているものであろう。それらの設定を科学に基づいて解析している本なのだが、これだけではどんな内容かわかりづらいと思われるので、具体的な例に以下にあげてみよう。
仮面ライダーがベルトに受ける風力だけでエネルギーを得ているとするならば、14人集まれば
トイレの照明をつけることが可能。
鉄腕アトムが原子の力で動いているのであれば、周りの人たちは
みな原爆病。
ウルトラマンの飛行速度、マッハ5で飛ぶと、衝撃波で
額から上が吹っ飛ぶ。
などなど。このように、元々現実にないから「空想」なのに、それをあえて現実の科学に無理やり当てはめて難癖つけているのだ。子供の頃の夢を、
大人になってわざわざ自らの手で粉砕しているという、無駄以外のなにものでもない、まさに当サイトにふさわしい書物である。
とにかく、我々が幼き頃目を輝かせながら見ていたアニメやら特撮モノ・・・ウルトラマン、仮面ライダー、マジンガーZにドラえもん、果ては宇宙戦艦ヤマトまで、多岐のジャンルに渡り、我々の夢を
根底からことごとくブチ壊すというすこぶるいらんことを、科学のメスをもって、文字通り科学的に立証してくれているのだ。
ああわかってた!そんなものは幻想だと、大人にならずとも、物心ついた時には既にわかっていたさ!
サンタクロースが実はお父さんだって事だってとっくの昔にわかっていたさ!でも・・・それでも男ってのは、いつまでたっても少年の心を抱き続ける生き物だ。女性には到底理解されようもない心を持ち続ける生き物なんだよ!
だから30過ぎてまでガンダムガンダム言閑話休題。
しかしこの本も、全部を全部否定しているわけではない。一筋の可能性を指し示してくれている場合もある。例えばバリアー。全ての攻撃を防ぐのは無理だが、レーザーを無効化するバリアーなら今の科学力でも普通に作れるという。おお!そうだ!そういうのを待ってたんだ!
「周りでお湯をグツグツ沸かせば、レーザーは大気中に分散して無効に。」
・・・という風に、
違った方向から夢をやっぱりぶち壊してくれる。
ちがーう!そんなんバリアーちゃう!バリアーってのはな!もっとこう、光ってて、パリーンと割れるアレの事なんだよ!そんな湯気まみれのバリアーなんてバリアーとは認めないバリアー!そんなバリアーはバリアフリーだバリアー!
とまあ、こんな感じ。様々な変身ヒーローを、巨大ロボットを、SFロマンを、やれワットだの、やれジュールだの、やれ馬力だの、やれ摩擦係数だの、やれ仕事率だの、これまた様々な化学的単位を用いつつ、懇切丁寧に切り刻んでくれているのだ。より具体的に。まさに
才能の無駄遣いと言ったところだろうか。
・・・そしてまた私はブックオフに足を運ぶのだった。今日もまた、在りし日の夢を壊しに。
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ネタと割り切ってしまえば面白いんですけどね。というか真剣に読む本ではないかも。