2008,12,24 / 22:49
前回肝心な事「
ユーザーアンフレンドリーな部分」をすっかり書き忘れていたことを思い出したので追記。まずは下の図を見て欲しい。
わかりづらいかもしれないが、「はなす」コマンドを実行した後に出てくるウィンドウである。主人公は、どこにどう歩こうが、ずっと正面を見たまま移動する。向きが存在しないのだ。よって「はなす」だけでは人と話すことが出来ず、話す方向を指し示してやらないといけない。主人公の上に人がいるのであれば
「はなす」→「きた」
と指示しなければその人とは話せない。ではなぜこのような二度手間仕様になっているのか。
当時のゲームはとにかく「できるだけ容量を削減」という傾向にあった。主人公がどの方向を向いているかをプレイヤーに識別させるには、最低主人公がアニメーションしないとしても、上向き、下向き、左向き、右向きと、4枚のドット絵が必要とされる。2パターンアニメーションさせるのであれば、さらにその倍のドット絵が必要となる。
このドット絵の容量だけでもおそらく致命的となっているのだろう。何せ当時のゲームは今となっては考えられないほどの容量の小ささなのだ。ドラクエ1は64KB前後、かの名作「スーパーマリオブラザーズ」などは50KBにも至らない。
エロ画像1枚にも到底満たない容量だ。
その為、このまわりくどいGUIはやむなしといったところだ。事情はわかる。わかるが
ぶっちゃけすげえ面倒。
しかしこのシステムのおかげで、主人公が表示されてる画面部分に、自分の好きなキャラを貼って「ワーイ俺のキャラが冒険してる!」なんていう
心底どうでもいい裏技も生まれたのだがやっぱり心底どうでもいいので閑話休題。ついつい話が長くなってしまった。
棍棒と布の服を買って準備万端の勇者・・・といきたいところだが、とりあえずRPGの基本中の基本である、情報収集をしなければ。今のところどこにいけばいいのかすらわかっていない。なのでラダトーム城のすぐ隣の町で話を聞いて回る事にした。
「勇者すきなのよ、お前を死なせたくないものだな。」
「お前がロトの血を引くもの?何か証拠があるのか?」
「いーえ私はローラ姫ではないわ」
どっから突っ込めばいいんだよコレ。
いきなり野郎からの告白に、上目線の馬鹿に、勘違い女と来た。告白云々は思う様自業自得なので放置するとして・・・よしんばロトの末裔である証拠があったとて、単なる一町民である貴様になぜ提示せにゃならんのか。最後の馬鹿女はもう突っ込む気すらうせますこの自意識過剰が。挙句の果てには
「どうか魔物を倒してください!」
とか、
範囲が広すぎる依頼をしてくる町民まで。漠然としすぎ。どの魔物だよ。全部かよ。無茶を言うな無茶を。せめて「竜王を倒して」くらいでとどめとけ。しかし突っ込み歩いたところでゲームが進むわけもなく。マジメに情報探さないと、いっこうに先に進めない・・・と思った矢先、すこぶる重要っぽい情報を得ることが出来た。
「ラダトームのお城の南から、海の向こうにお城が見えるでしょう。竜王はその城にいるとか。おおこわい。」
いきなり最終目的地の場所を把握。そこに竜王が潜んでいるのか。一体どれほどの険しい道のりが主人公に立ちふさがっているのか・・・
って近えなオイ。
ほら、王様王様。120ゴールドとかいらんから、船用意して船。なんならボートでもいいから。それで旅終わるから・・・と、ああやっぱりそういう概念はありませんか。下手すりゃ泳いでいけそうな距離なんすけどね。やっぱダメ?うん。わかってたけど。
しかし竜王も竜王だな。たとえこの世界に船という概念があろうがなかろうが、お前が率いるモンスター、空飛べるヤツとかいるだろ。ほら。ドラキーとかキメラとか。ラダトーム城なんてあっという間に落とせるだろ。え?ああ・・・うん。そうですか。そうですよね。
物事には順序ってものがあるんですよね。
大人の事情ってやつですよね。わかります。んじゃまあとりあえずちゃんと別に仕入れておいた情報をもとに、ガライの街とやらに行ってみますか。ずっと北にいって、海辺を西、ね。了解。その前に経験値稼ぎでもと、うろうろしていると、出てきましたよスライムが。
その後もスライム、スライムベス、スライム、スライム、スライム、スライムベ(以下略)と倒していくが、どいつもこいつもタイマン張ってきやがる。なにこの
ちょっとした武士道精神。モンスターならモンスターらしく、群れで襲ってくれば一発なのに。勇者一人だからって一人で挑まなくても。
ある程度レベルをあげて、割と早くガライの町に到着。ここでも定石「情報収集」。どうやらこの町は、偉大な吟遊詩人「ガライ」が作ったものらしい・・・偉大な吟遊詩人?
ビジョンがさっぱり浮かばないのですが。そもそも吟遊詩人ってどんな職業よ?偉大って事は、みんなから尊敬されてたってこと?ちょっと辞書を引いてみた。
吟遊詩人:中世ヨーロッパで、恋愛歌や民衆的な歌を歌いながら各地を遍歴した芸人。
結局芸人かよ。
偉大な芸人・・・ひとりの芸人によって作られた町・・・ダメだ結局ピンと来ねえ。結局この町では大した情報は得られず。そういえばここに来る途中、洞窟が見えたので、薬草をしこたま買って探検してみることにしたが、洞窟内では敵が一匹も出てこない。なんだよ備えしまくって損した。
王様からもらったなけなしのたいまつを使い、目一杯心もとない灯火を頼りに洞窟内を探検すると、ひとつの宝箱が。ここは迷わずコマンド「しらべる」。
「しらべる」ぴっ。
「すきなのは自分の足元を調べた。」
「宝の箱がある!」
・・・。
ぴっ。
「すきなのは自分の足元を調べた。」
「宝の箱がある!」
ぴっ。
「すきなのは自分の足元を調べた。」
「宝の箱がある!」
ぴっ。
「すきなのは自分の足元を調べた。」
「宝の箱があ
開けろよドサンピン。
なんだよどうすりゃいいんだよ。宝の箱がある事は見りゃわかんだよ・・・とよく画面を見ると、コマンド群に「とる」というものがあああああああめんどくせえ!「しらべる」で取ってくれたっていいじゃねえかよじれってえなあ!
結局「とる」で宝箱を開けると、一枚の石碑が入っていた。どうやら勇者ロトが残したものらしい。
「私の名はロト。私の血を引きし者よ。」
「ラダトームから見える魔の島に渡るには、3つのものが必要だった。」
「私はそれを集め、魔の島に渡り、魔王を倒した。」
「そして今、その3つの神秘なるものを、3人の賢者に託す。」
「彼らの子孫が、それらを守っていくだろう。」
「再び魔の島に悪魔がよみがえった時、それらを集め、戦うがよい。」
うん。もう船は諦めた。その3つのものとやらを集めようと思いますが、なんかこの情報も漠然としてんな。どうせ手がかり残すんだったら、もうちょっと具体的に書いてくれてもいいんじゃないのか。ロトってのは不親切だな。
あ、でも、モンスターも出てこないこんな洞窟、誰が入るかわからない。誰かがこの石碑を見てしまうと仮定すると・・・具体的な事を書いていたらまずい。だからあえてもやのかかったような言い方をしてるんだろうか。
いやだったらそもそも、こんな誰でも入れる洞窟に置かなくても・・・いやまてよ?誰でも入れる洞窟なら、誰かがこの石碑を持ち去っててもおかしくないはず。ははーん。読めたぞ。この宝箱は、ロトの血を引きしものしか開けれないように出来てるのか!なるほどなるほど
だったらやっぱりもっと詳しく情報書けよ。
結局ロトの思惑がわからないまま、わかったようなわからないような重要な情報を手に入れ、先を急ぐ事にする。とりあえずうろうろしてたらどっかに町あんだろ、という安易な考えのもと、主人公はマイラの町にたどりついたのであった・・・。
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容量削減を考えるなら尚更。「たからのはこがある!」の10文字で何B喰うと思ってるんですかね。
途中のツッコミから芸人=お笑い芸人という認識が広まってる感をひしひしと感じました。私含めて。