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>> HOME > 無駄世界 > 一番イタかったオフ会
1981,01,21 / 21:53

えー、俺はネット界に参入してからというもの、何度もオフに参加してきました。時には月1ペースでオフしてた時期もありました。そんなオフの中で、一番痛かったオフをご紹介します。


あれはまだネット歴1年にも満たない頃。いつの時間に行っても人がいるチャットを知り、チャットにハマりまくりの毎日。するとそのチャット上で、なにやらオフ会を開くとの話題で盛り上がっていた。

そしてその首謀者Aはどうやら俺にも会ってみたかったらしく、こう言い出したのだ。


「新ちゃんの『氷雨』も聞いてみたいなあ!」


しかもどうやら話の流れ的に、女性がほとんどというこのオフ会。ゼヒとも行かねばと思い、そのオフのお誘いを快く受諾する俺。しかしその後、Aは気になる言葉を吐く。


「でも、新ちゃんにはゴメンなイベントがひとつあるのよね」


それから心の隅にずっと引っかかり続けたこの言葉。気になって仕方なかったが、俺の頭は


「氷雨歌って大爆笑だこの野郎。くっくっく。」


という目論見が大半を支配してたので、気にしない事にしていたのだ。そしてオフ参加が決まった数日後・・・俺は知りたくもない事実を知ってしまった。このオフは・・・


アンジェリークオフだったのだ。


注1:「アンジェリーク」とは、主人公の女の子アンジェリークが、不思議な声に導かれ、美青年揃いの守護聖達の協力のもと、謎の大陸を育成するという大義名分をかかげ、実は守護聖と仲良くなってしまおうという「逆ときメモ」といわんばかりのゲーム。

注2:このゲームにハマッた女性達は、守護聖の名前を「様」付けで呼んでしまい(例:風様)、かつこのゲームを「逆ときメモ」扱いしてしまうと憤慨するという、なんともイタイ人物に成り果ててしまう。




●○●○●○●




女性ばかり参加するというムフフなオフ会の正体が「アンジェリークオフ」と知ったはいいが、もはやオフの日がせまりすぎていた為、今更断るワケにもいかず、結局行くことになった俺。

一抹の不安はあったが、「ドキッ☆女だらけの大阪オフ」という事もあり、それだけを考えて一路大阪へ。

俺が集合場所のホテルにたどり着いた時、若い女性の団体さんが目に付いた。おそらくオフメンバーだと思い、近づいてみると・・・



・・・うわぁ・・・



確かに女性ばかりで、男性は俺ともう一人だけだったんですが、なんていうかこう、体格のよろしい女人が妙に多く見えるのは、俺の目の錯覚でしょうか。

しかもそういう方に限ってフリフリのピンクハウスを着ていらっしゃるのも気のせいだと真剣に思いたかった。ええ思いこみたかったですとも。


さしずめ気分はアンジェリークってか?うわあ。


それだけではなく、なんかとてもボーイッシュな、それはもう男と見間違う程パーフェクトボーイッシュな方が見えるのも、慣れない新幹線の道のりで俺が疲れていたためでしょう。そうだそうに決まってる。


たったひとつの事実が無ければ、俺はこの場で挨拶もせず音速で引き返していた事だろう。


以前より、メールやICQでほぼ毎日話していて仲良くなった女の子(以下T)が、今回のオフに参加しているとの事。その女の子をこの目で確かめるまでは引き返せなかったのだ。

そして近寄りがたいその団体と接触。勇気を振り絞って声をかけた。すると、スタイルのいい、俺好みの女性が俺に声をかけてきた。

その子こそ、俺が一番会いたかったTだったのだ。


「ビンゴ!」


俺は叫びたくて仕方なかったが、こんなところでそんな事叫んだらどういう目でみられるかわかったもんじゃなく、何とか衝動を抑えた。

こうして俺は引き返さずに、オフでもっとTとお近づきになろうと、オフに参加したのだった。


この後、あまりに痛過ぎる出来事が起こる事など知らずに・・・



●○●○●○●




メンバーが全員集まったところで、一次会の飲み。コジャレたイタリア料理屋っぽいところで。ワインをちびちび飲みつつ、みんなで軽い会話をしていると、幹事のAが何やら袋を出してきた。

どうもイベントを用意していたようで、その準備らしい。これが俺にとって、どれだけ辛いイベントになるのか。正直甘く考えすぎていた。


「じゃあ、袋の中からバッヂをとってくださーい」


バッヂ?まあいいや。ここはやるしかないだろうと、袋の中に手を入れ、四角いバッヂをとって、見てみた。青髪の美青年の顔の隣に「リュミエール」と書いてあった。は?なななななんですかコレ?


「はい、じゃあ今からバッヂのキャラになりきってくださーい」



まままま待ってくれ待ってくれってばオイ。



なりきるってナニヨ?なりきるも何もアンジェリークやったことねえのに。知らねえよ誰だよリュミエールって。


「あ!新ちゃん、リュミ様なのぉー!?」


俺の隣に座っていた女がデケエ声で発表。その時点で会場大爆笑。



「あはははは似合わなーい!」

「大きいリュミ様だね!」

「新ちゃん、そのままのキャラで大丈夫だよ!」




ざ、ざざざ斬馬刀用意して誰か。



この場で全員まっぷたつにしてやる。

自分が全くわからない笑いほどどうしようもないものはありませんなコレ。結局、周りのヒントを元にしばらくリュミエールとやらになりきりました。


産んでくれた両親に対して凄く申し訳なかったです。


二次会のカラオケ、そして三次会のゲーセンで、オフは無事終わり、予約しておいたビジネスホテルに一泊して、チェックアウトと同時に速攻で帰りました。

男が少なかっただけに、常にお目当ての子「T」の隣の席をキープしてしまうと、他の女人が絶対チェックするだろうと思い、結局Tともほとんど仲良くなれずに終わりました畜生!

次の日もなんか集まってたみたいですが、そんなのは知った事ではありません。


ていうか関わりたくなかったんです。力一杯。


そして自宅に戻り、自分のサイトを見ると、なんとTの書き込みが。


「そんなに早く帰るんだったら、先に(俺との)デート予約しておけばよかった!」



あああぁああぁぁああああ。



書き込み画面を見ながら愕然とした俺でした。なんだよソレ!もっと早く言ってくれようわあああああああん!



●○●○●○●




しかしこのオフは、これだけでは終わらなかったのです。このオフで全然仲良くなれなかったTですが・・・その数年後・・・



俺の嫁になりました。



うわあ・・・スゲエオチ。



アンジェリークやってみてえ!




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